「障害のある当事者からのメッセージ」の意見募集結果

平成17年3月11日
内閣府障害者施策担当

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1.募集概要

(1) 目的

 昨年8月に内閣府が行った「障害について知ってほしいこと」等に関する意見募集で寄せられた様々な意見を整理し、具体的な事項を列記した上で改めて障害のある方に賛同される意見を選定いただくことで、障害のある方の多くが知ってほしいと希望される内容を明らかにし、今後の国民への意識啓発の取組に活用するもの。

 

(2) 内容

 障害種別ごとに、障害の内容や必要な配慮について特に知ってほしいことを例示された事項から選定(他に自由記載での意見も募集)

  • 視覚障害
  • 聴覚・言語障害
  • 肢体不自由
  • 内部障害
  • 知的障害
  • 精神障害
  • 発達障害

(3) 対象者

 障害のある方(障害のため自らの意見を表明することが難しい場合は、本人の意見を代弁できる身近な方)

(4) 募集期間

 平成16年12月3日(障害者週間の初日)から12月末まで

(5) 募集方法

 内閣府ホームページに掲載するとともに、広く都道府県・指定都市や障害者団体のホームページ上でのリンクを依頼。意見の提出については、電子メールのほか、ファックス、郵送等の方法により提出

2.応募者の概要

(1) 応募者総数

 応募総数は1,011人であり、そのうち障害者本人が全体の7割近くを占め、知的障害と発達障害では代弁者からの応募が多かった。
 なお、視覚障害のある方からはEメールのほか点字による応募があった。

視覚 聴覚言語 肢体 内部 知的 精神 発達
本人 189人
( 18.7%)
128人
( 12.7%)
90人
( 8.9%)
81人
( 8.0%)
1人
( 0.1%)
134人
( 13.3%)
54人
( 5.3%)
677人
( 67.0%)
代弁者 15人
( 1.5%)
7人
( 0.7%)
11人
( 1.1%)
11人
( 1.1%)
48人
( 4.7%)
10人
( 1.0%)
199人
( 19.7%)
301人
( 29.8%)
未回答 1人
( 0.1%)
6人
( 0.6%)
0人
0人
0人
24人
( 2.4%)
2人
( 0.2%)
33人
( 3.3%)
205人
( 20.3%)
141人
( 13.9%)
101人
( 10.0%)
92人
( 9.1%)
49人
( 4.8%)
168人
( 16.6%)
255人
( 25.2%)
1,011人
(100.0%)

3.意見の概要

(1) 全障害(1,011人)

(ア)障害の内容

  • 1位 「外見で分かるものだけが障害ではなく、外見では分からないために理解されずに苦しんでいる障害もある」(84.7%)
  • 2位 「障害の種類も程度も様々であり、一律ではない」(80.6%)
  • 3位 「障害は誰にでも起こり得る身近なもの」(72.5%)
  • 3位 「障害があっても普通の生活をしたいと願っている」(72.5%)
  • 5位 「障害が重度でも生き甲斐や役割を持つことでいきいき生活できる」(66.7%)

[障害種別間の特徴]

  • 1位の「外見で分かるものだけが障害ではない」は、内部障害(93.5%)、発達障害(91.4%)、聴覚・言語障害(90.8%)で特に高い割合を示した。
  • 2位以下の項目は、全体的に視覚障害が高い割合を示した。

(イ)必要な配慮

  • 1位 「本人や家族の努力だけでは解決できないことが多くある」(75.5%)
  • 2位 「障害があっても働きたいと願っているので、働くための支援や働く場を確保して」(70.4%)
  • 3位 「障害者に関わる専門家は必要な知識をしっかりと身につけて」(68.5%)
  • 4位 「「障害があるからできない」と決めつけずに、できることを一緒に考えて」(67.4%)
  • 5位 「障害だけを見るのではなく、一人の人間として全体像を見て」(65.4%)

[障害種別間の特徴]

  • 全体的に視覚障害者が高い割合を示した。
  • 3位の「障害者に関わる専門家は必要な知識をしっかりと身につけて」は、発達障害(83.1%)で特に高い割合を示した。

(2) 視覚障害(205人)

A 共通事項(特徴)

  • 障害の内容では、5位内に「目が悪くなれば眼鏡をかけるように、不自由さを補う道具や援助があればできることは多い」(86.8%)が入った。
  • 必要な配慮では、5位内に「思いこみや押し付けの援助ではなく、援助が必要かどうかを尋ねてから必要な援助をして」(87.3%)、「特別扱いではなく普通の人としてさりげなく接して」(82.9%)が入った。

B 障害種別事項

(ア)障害について

  • 1位 「視覚障害者が点字を使えるとは限らない」(86.8%)
  • 2位 「エレベーターが止まった時に何階なのか分からない」(86.3%)
  • 3位 「「全盲」と見えづらい「弱視」があり、「弱視」の見えづらさも多様」(85.4%)
  • 4位 「トイレが男性用か女性用か分からない」(82.9%)
  • 5位 
    「視覚障害は情報障害であり、「見えないからできない」ことより「見えないために教えてもらえないのでできない」ことが多い」(80.0%)

(イ)必要な配慮

  • 1位 「視覚障害者もパソコンやインターネットを使っているので、音声読み上げソフトで対応できるように配慮して」(92.2%)
  • 2位 「タッチパネル式の機械だとうまく操作できない」(90.2%)
  • 3位 「点字ブロック上に自転車を駐輪するなど歩行を妨げないで」(90.2%)
  • 4位 「声だけでは相手が思い出せないこともあるので、最初に名前を伝えて」(88.8%)
  • 5位 「場所を示すときは、右・左・前・後ろといった方向や距離、角度など具体的に説明して」(87.8%)

(3) 聴覚・言語障害(141人)

A 共通事項(特徴)

  • 障害の内容では、5位内に「障害があることは「不幸」ではなく「不自由」なだけ」(62.4%)が入った。
  • 必要な配慮では、5位内に「介助者がいても、介助者ではなく本人に話しかけて」(61.7%)が入った。

B 障害種別事項

(ア)障害の内容

  • 1位 「聴覚障害はコミュニケーションが困難な点につらさがある」(87.2%)
  • 2位 「音声での情報が理解できず、アナウンスされても分からない」(83.0%)
  • 3位 「全く聞こえない者もいれば、聞こえづらい者もいる」(82.3%)
  • 4位 「聴覚障害者が手話を使えるとは限らず、中途失聴者の多くは手話ができない」(81.6%)
  • 5位 「音を感じる器官(内耳)が障害されている者も多く、補聴器で音を大きくしても聞こえるわけではない」(79.4%)

(イ)必要な配慮

  • 1位 「電光掲示板やパネル等の視覚を通じた情報伝達の方法も考えて」(87.2%)
  • 2位 「テレビの字幕放送や手話入り放送を充実して」(84.4%)
  • 3位 
    「手話、筆談、口話等コミュニケーションの方法も人により様々なので、どのようなコミニューケーション方法が良いか、直接本人に確認して」(82.3%)
  • 4位 「連絡方法が電話だけだと対応できないので、メールやファックスでも連絡できるようにして」(82.3%)
  • 5位 「イベントなどでは手話通訳だけでなく、要約筆記・パソコン筆記通訳も付けて」(80.1%)

(4) 肢体不自由(101人)

A 共通事項(特徴)

  • 障害の内容では、5位内には全障害合計と同様の項目が並んだ。
  • 必要な配慮では、5位内に「障害者のためのサービスをもっと利用しやすくして」(64.4%)が入った。

B 障害種別事項

(ア)障害の内容

  • 1位 「車いすを利用していると、ちょっとした段差や障害物があると前に進むことができない」(68.3%)
  • 2位 「車いすを利用していると、高いところには手が届かず、床にある物も拾いにくい」(58.4%)
  • (注)自由記載の中には杖使用者や不随意運動を伴う者など、車いす使用者以外の様々な不自由さについての意見も寄せられた。

(イ)必要な配慮

  • 1位 「和式のトイレでは利用できない者がいるので、公共トイレには必ず洋式トイレも設置して」(75.2%)
  • 2位 「障害者用の駐車スペースの絶対数が少ない上に、障害のない人が駐車していて利用できないことがある」(75.2%)
  • 3位 「在宅勤務や車での通勤ができれば、重度の身体障害者でも働ける人が多い」(57.4%)

(5) 内部障害(92人)

A 共通事項(特徴)

  • 障害の内容では、1位の「外見で分かるものだけが障害ではなく、外見では分からないために理解されずに苦しんでいる障害もある」(93.5%)が極めて高い。5位内に「障害は本人や家族の責任で生じるものではない」(68.5%)が入った。
  • 必要な配慮では、上位5位内に「自分の周りにいる障害者のイメージで障害者一般を考えないで」(68.5%)、「障害者のためのサービスをもっと利用しやすくして」(67.4%)が入った。

B 障害種別事項

(ア)障害の内容

  • 1位 「外見では分からないため、周りからは理解されにくい」(89.1%)
  • 2位 
    「障害のある臓器(心臓、肺など)だけに支障があるのではなく、それに伴い全身状態が悪く、毎日毎日疲れが取れない疲労感に浸かった状態で、集中力や根気に欠け、トラブルになる場合も少なくない」(78.3%)
  • 3位 「内部障害者でも車いすを利用することがある」(60.9%)

(イ)必要な配慮

  • 1位 「疲れやすいが、外見上分からないため、優先席に座りたくても座りにくい」(79.3%)
  • 2位 「内部障害のあることを周囲の人に認識してもらえるようなマークやサインがあると良い」(69.6%)
  • 3位 「電車内の優先席に加え、ペースメーカーやICD(埋め込み型除細動器)装着者のための安心できるスペースを確保して」(60.9%)

(6) 知的障害(49人)

A 共通事項(特徴)

  • 障害の内容では、5位内に「障害は本人や家族の責任で生じるものではない」(73.5%)、「目が悪くなれば眼鏡をかけるように、不自由さを補う道具や援助があればできることは多い」(65.3%)が入った。
  • 必要な配慮では、5位内に「障害者のためのサービスをもっと利用しやすくして」(75.5%)、「障害者にもいろいろなことに挑戦できる機会を多く設けて」(69.4%)が入った。

B 障害種別事項

(ア)障害の内容

  • 1位 「抽象的な概念が理解しにくい」(81.6%)
  • 2位 「自分の意思を表現したり、質問したりすることが苦手」(79.6%)
  • 3位 「理解したり判断することが苦手」(77.6%)
  • 4位 「知的障害者は何もできない人ではなく、的確なサポートがないためにできないでいるだけ」(73.5%)
  • 5位 「数の概念が難しい」(59.2%)

(イ)必要な配慮

  • 1位 「分かりやすい言葉でゆっくり話して」(79.6%)
  • 2位 「働いて自立していくのに足りないものを補うことにより、共に生きる隣人として受け止めて」(77.6%)
  • 3位 「抽象的な概念ではなく、絵や図を使って具体的に分かりやすく説明して」(71.4%)
  • 4位 「質問する場合にはゆっくりした口調で具体的な内容にして」(67.3%)
  • 5位 「知的障害があるだけで無理だと決めつけず、理解しようとして」(63.3%)

(7) 精神障害(168人)

A 共通事項(特徴)

  • 障害の内容では、全障害合計と同様の項目が5位内に並んだ。
  • 必要な配慮では、5位内に「障害者にもいろいろなことに挑戦できる機会を多く設けて」(60.1%)、「特別扱いではなく普通の人としてさりげなく接して」(59.5%)が入った。

B 障害種別事項

(ア)障害の内容

  • 1位 「病気の苦しみも強いが、収入も少なく生活上の苦しみも強い」(66.1%)
  • 2位 「精神障害と分かる不利な扱いを受けることが多いため、精神障害であることを知られたくない者も多い」(64.3%)
  • 3位 「精神疾患に罹患する人は決して少なくなく、大変身近な病気だ」(60.7%)
  • 4位 「外見では分からない者もいるため、周りからなぜ働いていないかなど理解されにくい」(60.1%)
  • 5位 「精神障害者の多くは、自分の苦しさや要求を口に出したり行動したりすることが大変苦手」(56.0%)

(イ)必要な配慮

  • 1位 「精神障害者を特別視せず、その人らしさを尊重して、笑顔で優しく接して」(65.5%)
  • 2位 「精神障害をうち明けることは勇気が必要であり、うち明けられても勝手に他の人に言わないで」(56.5%)

(8) 発達障害(255人)

A 共通事項(特徴)

  • 障害の内容では、1位の「外見で分かるものだけが障害ではなく、外見では分からないために理解されずに苦しんでいる障害もある」(91.4%)が極めて高い。
  • 5位内に「障害は本人や家族の責任で生じるものではない」(79.2%)、「「みんな一緒に」「できないことや苦手を克服」といった社会の当たり前の価値観に苦しんでい人もいる」(72.2%)、「目が悪くなれば眼鏡をかけるように、不自由さを補う道具や援助があればできることは多い」(69.4%)が入った。
  • 必要な配慮では、5位内には全障害合計と同様の項目が入った。
  • 第1位の「障害者に関わる専門家は必要な知識をしっかりと身につけて」(83.1%)については、自由記載の中で医師、保健婦、保母、教師の発達障害に対する理解の乏しさを指摘する声が多く寄せられた。

B 障害種別事項

(ア)障害の内容

  • 1位 
    「全国に6.3%いると言われながら十分な理解と支援をなかなか受けられていないLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)、アスペルガー、高機能自閉症などの軽度発達障害者の存在」(85.9%)
  • 2位 「外見では分かりにくいため「態度が悪い」「親の躾が悪い」などと批判されやすい」(83.9%)
  • 3位 「人の表情態度や裏表が読み取れず、的確な状況判断ができない」(73.7%)
  • 4位 「普通の人のようにやらなくてはと思いつつも、そうできないことに苦しんでいる」(70.6%)
  • 5位 「知能が高くて生活に問題はなさそうに見えても、社会生活に問題がある」(69.8%)

(イ)必要な配慮

  • 1位 「教え方や学習の仕方をきめ細かくすることで克服できる部分が多い」(81.6%)
  • 2位 「視覚的なサポートがあると理解しやすい」(65.9%)

(注)意見のあった項目の上位5位を紹介(50%未満の意見は省略)


資料( 集計結果 )

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  1. 全障害
  2. 視覚障害
  3. 聴覚・言語障害
  4. 肢体不自由
  5. 内部障害
  6. 知的障害
  7. 精神障害
  8. 発達障害
共通事項(障害種別内訳)〔グラフ〕