Q16 サービスの質
民間事業者に任せることによって公共サービスの質は低下しませんか?

PFIで民間に業務をゆだねてサービスの質を落とさないためにはどうしたらいいのでしょうか。

1.要求水準書(Q14参照)によって、地方公共団体が要求する内容や質を決め、サービスの質を確保する、2.モニタリング(Q17参照)により事業期間中のサービスの質を維持する、3.サービスの質を向上させる仕組みを作る、等の方法があります。

1.要求水準書によるサービスの質の確保

地方公共団体が要求するサービスの水準を明確にするため、要求水準書で要求するサービスの内容を詳細に明記することが大切です。

2.モニタリングによる事業期間中の質の維持

長い事業期間には、次第にサービスの質が低下していくことも考えられるので、地方公共団体は、PFI事業者がきちんと業務を行っているか監視する必要があります。これをモニタリングといいます。モニタリングは、定期的に行われ、“要求水準を満たしてない"と判断されると地方公共団体から民間事業者への支払額が減額される等の可能性があります。

3.サービスの質を向上させる仕組み

サービスの質を向上させる仕組みとして、事業類型を独立採算型(Q11参照)とする方法があります。独立採算型の場合、民間事業者は自ら調達した資金により施設を設計・建設し、維持管理及び運営を行い、施設利用者からの料金収入により直接資金を回収することから、地方公共団体の支払はありません。この仕組みは、利用者が増える→利用料金収入が増額→民間事業者の収入増となり、質の向上につながると考えられます。 ただし、独立採算型事業の場合でも、公共性を確保する観点から、民間事業者による事業の中身や利用料金等について、慎重な検討が地方公共団体に求められます。独立採算型以外にもミックス型(Q11参照)もサービスの質を向上させる仕組みと考えられます。

~先行事例 (仮称)松森工場関連市民利用施設整備事業ヒアリングより~

性能発注の具体的なメリットとしては、サービスの提供が始まらないと何とも言えないが、サービスの質は要求水準以上であることは十分認識している。
事業者提案プログラムや、民間事業者が独自に行う収益事業の提案については、質問・回答と並行して民間事業者と内容の確認を行った。(民間ノウハウを活かして質の高い提案を引き出す工夫)